この間、①にて、とうとうこの食いしん坊の私が、一大決心!断食をすることになった旨、書かせて頂きました。まぁ、断食と言ってもプチですが…。
私は、役を作るうえで一番大事なのは、とにかく何か「これ!」とか「もしや!」と思ったことを行動に移してみることだと常々思っています。
『やってみなければ分からない』!!
役作りって、思い込みだとか勘違いとか妄想でも何でもいいので、まずはやってみるのが大事で、とにかくドロくさい作業であること夥しい…。これが、私の考えでして、今回も明確な根拠はなかったのですが、なぜか「絶対必要だ…」と強く思い込みまして、やってみました。
やってみて…、
やはり、やってみてよかったなー、と思うところがありまして、これは予想外だったのですが、動物が本来持つ緊張感を感じることができたということ。
本来、「食べる」という行為は絶対必要ですが、必ず保障されているものではありません。動物にとって「食べられず」、何日も獲物を探して歩きまわることは珍しいことではありません。今回、そういった状況になったわけです。そうなると、頭では「撮影終わったら、ビールのんで、ラーメンかな…」とか考えているのですが、そんなことを知らない体は「あれ?メシ来ない…」と焦りだします。
焦ったカラダは、とにかく守りに入ります。栄養が不足気味で体力が落ちているカラダは、あらゆる危険を回避するため、全神経を集中させて感覚を研ぎ澄ますのです。
ただ、痩せて、顔が引き締まればいいかな…、くらいに考えていたのですが、その、数字にあらわれる体重的なものは大したことなかったのですが、この「緊張感」の発見は面白かったです。
戦国時代のスパイなんて、こんな状況、ザラにあったに違いありません。
何かやることによって、カラダが変わり、その結果、意識も変わり、気持ちに影響が出る。これ、芝居をするうえで、とても役に立ちます!
フラフラになりながらも、妙な自信を胸に、スタジオ入りした私。
マネージャーに、
「ど、どうしたの、多田くん!!ゲソっとして…」
と言われないか、ドキドキしてましたが、特に何も無し。
そして、緊張の撮影をなんとか無事に終えた映像がこれっ!!
↓
うん…。
私にしては、よくできた方です…。あー、やってよかった!とほっと胸を撫で下ろしていた時、
横でモニター見てたマネージャーが、
「うーん…、多田くんてなんかほんと平和な顔してるよねー」とポツリ…。
え?
「へ、平和ですか?」
「そうねー、優しいお父さん役とか合ってるよねー」
「あ、ありがとうございます…」
く…。俺の苦しみも知らないで…。
『役者の持つ本質はそうそう簡単に変えられるものじゃない!!』
これは、常日頃、我が劇団の野伏監督が仰ることですが、痛感いたしました…。
そんなこんなで、今回は、『動物的緊張感』と、不本意ながら『自己の本質』を学んだ私でしたー。
撮影後は、マネージャーとビール&カレー!!!
あとで聞いたのですが、断食の後は、ほんとは回復食から始めなきゃいけなかったそうです…。でも、ビールで元気満天!!超回復な私でしたー!!
続きませんよ…
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