軍師官兵衛 傷の男にまつわる話②

この間、①にて、とうとうこの食いしん坊の私が、一大決心!断食をすることになった旨、書かせて頂きました。まぁ、断食と言ってもプチですが…。

 

私は、役を作るうえで一番大事なのは、とにかく何か「これ!」とか「もしや!」と思ったことを行動に移してみることだと常々思っています。

 

『やってみなければ分からない』!!

 

役作りって、思い込みだとか勘違いとか妄想でも何でもいいので、まずはやってみるのが大事で、とにかくドロくさい作業であること夥しい…。これが、私の考えでして、今回も明確な根拠はなかったのですが、なぜか「絶対必要だ…」と強く思い込みまして、やってみました。

 

やってみて…、

 

やはり、やってみてよかったなー、と思うところがありまして、これは予想外だったのですが、動物が本来持つ緊張感を感じることができたということ。

 

本来、「食べる」という行為は絶対必要ですが、必ず保障されているものではありません。動物にとって「食べられず」、何日も獲物を探して歩きまわることは珍しいことではありません。今回、そういった状況になったわけです。そうなると、頭では「撮影終わったら、ビールのんで、ラーメンかな…」とか考えているのですが、そんなことを知らない体は「あれ?メシ来ない…」と焦りだします。

 

焦ったカラダは、とにかく守りに入ります。栄養が不足気味で体力が落ちているカラダは、あらゆる危険を回避するため、全神経を集中させて感覚を研ぎ澄ますのです。

 

ただ、痩せて、顔が引き締まればいいかな…、くらいに考えていたのですが、その、数字にあらわれる体重的なものは大したことなかったのですが、この「緊張感」の発見は面白かったです。

 

戦国時代のスパイなんて、こんな状況、ザラにあったに違いありません。

 

何かやることによって、カラダが変わり、その結果、意識も変わり、気持ちに影響が出る。これ、芝居をするうえで、とても役に立ちます!

 

フラフラになりながらも、妙な自信を胸に、スタジオ入りした私。

 

マネージャーに、

「ど、どうしたの、多田くん!!ゲソっとして…」

 

と言われないか、ドキドキしてましたが、特に何も無し。

 

そして、緊張の撮影をなんとか無事に終えた映像がこれっ!!

うん…。

 

私にしては、よくできた方です…。あー、やってよかった!とほっと胸を撫で下ろしていた時、

 

横でモニター見てたマネージャーが、

「うーん…、多田くんてなんかほんと平和な顔してるよねー」とポツリ…。

 

え?

 

「へ、平和ですか?」

 

「そうねー、優しいお父さん役とか合ってるよねー」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

く…。俺の苦しみも知らないで…。

 

『役者の持つ本質はそうそう簡単に変えられるものじゃない!!』

これは、常日頃、我が劇団の野伏監督が仰ることですが、痛感いたしました…。

 

そんなこんなで、今回は、『動物的緊張感』と、不本意ながら『自己の本質』を学んだ私でしたー。

 

撮影後は、マネージャーとビール&カレー!!!

 

あとで聞いたのですが、断食の後は、ほんとは回復食から始めなきゃいけなかったそうです…。でも、ビールで元気満天!!超回復な私でしたー!!

続きませんよ…

 

 
劇団夜想会アトリエ公演 大変な心配シリーズ第二弾
「大変な心配~かりんとうの歌~」
 
出演
花 大吉:多田広輝(劇団夜想会)
花 みずほ:西原沙矢香(CLEO)
開田 陽一:藤井弘平(劇団夜想会)
 
演出
弥吉洋輝(演劇集団Blue Space)
 
生演奏・作曲
深水郁
 
多田広輝
 
失敗続きの心理カウンセラー 花大吉。今日も患者の思うツボ…。
 
二月に上演した『大変な心配』シリーズ第一弾、おかげさまで全日程完売となり沢山のご好評も頂きました。ありがとうございました!!
 
今回はさらにバージョンアップ!CMソングで大活躍のシンガーソングライター、深水郁さんをお招きし、作品に華を添えて頂きます。
 
お芝居と生演奏のコラボレーション、レトロな雰囲気のクラシック喫茶ヴィオロンにて、コーヒーとともにお楽しみください。
 
【期間】
*1日1回公演
 
【開演時間】
全て19:00
*開場は開演の30分前となります。
 
【場所】
クラシック喫茶「ヴィオロン」
http://www.h7.dion.ne.jp/~sozoro/violin.html
JR阿佐ヶ谷駅徒歩五分
 
【料金】
¥1,000で、1ドリンク付き!
 
お問合わせ
tadahiroki_1030@yahoo.co.jp